処方せんの鑑査と疑義照会:P306

到達目標

◎薬歴簿を参照して処方内容の妥当性を判断できる。(知識・技能)

実習 薬歴簿・処方せん
90分 x 2コマ 患者 15分x12枚



指導薬剤師が行うこと

・薬歴を活用した処方内容の妥当性の判断について説明する。

・薬歴を活用することで処方内容の妥当性に問題点を見つけた事例を説明する。



学生が行うこと

・薬歴を活用した処方内容の妥当性の判断の方法を説明する。

・指導薬剤師が提示した処方箋および薬歴の内容から、処方内容の妥当性を判断する。



評価の視点

・薬歴を活用した処方内容の妥当性の判断について説明できる。

・処方せんおよび薬歴の内容から処方内容の妥当性を判断できる。



当薬局での指導

薬歴を活用した処方内容の妥当性の判断について説明する。

処方内容の妥当性を判断する場合には薬歴が非常に有用である。具体的には、前回処方や過去処方からの流れを経時的に見て、今回の処方薬の妥当性が伺えるからである。

今回の処方内容に変更点があれば、患者との対話においてその理由を聞き出し、その話の内容と変更が合致するものであれば、薬剤師として納得して投薬を行う事が出来る。

もし、その変更内容と患者との対話が合致しないものであれば疑義照会の対象となり、医師へ確認を取る必要がある。



薬歴を活用することで処方内容の妥当性に問題点を見つけた事例を説明する。

実際の具体例を挙げれば、 過去処方において、

ノイロトロピン 4錠  1日2回 朝夕食後 28日分
と処方されていたのだが、今回の処方では

ノイロビタン 4錠 1日2回 朝夕食後 28日分
となっていた。

そのため、患者との対話において今回の処方が変更になるような話があったかどうかを確認した所、特に変更するような話は無いとのことであった。

また、医薬品が変更されているにもかかわらず、用法指示が変更になっていない。その上、医薬品名の最初の3文字が同一であることを鑑み、この処方はコンピュータの入力ミスではないかとの推測が立つ。

以上の点を踏まえた上で疑義照会を行う事になり、結果、前回同様ノイロトロピンが正しい処方であると確認を得る事が出来た。 という事例がある。