【到達目標】
◎セルフメディケーションのための一般用医薬品、医療用具、健康食品などを適切に選択・供給できる。(技能)
演習 当該商品
90分 x 5コマ
【指導薬剤師が行うこと】
顧客の症状や背景にあわせた一般用医薬品、医療機器、健康食品などの選択に薬剤師が関与する事の重要性について理解させる。
・薬局薬剤師が国民のセルフメディケーションの支援に関与する事の重要性を説明する。
・一般用医薬品や健康機能食品などセルフメディケーションに関する薬局アイテムについて説明する。
・一般用医薬品のリスク分類に応じた情報提供、陳列、外箱表示について説明する。
・一般用医薬品における「販売者責任の明確化」について説明する。
・顧客の症状や背景を考慮し、一般用医薬品などの選択の基準を説明する。
・選択された一般用医薬品について、情報提供が必要な事を説明する。
・医療用医薬品と一般用医薬品などの相互作用について、代表的な事例を挙げて説明する。
・顧客役となり、学生と顧客対応(相談応需などのセルフメディケーション支援)のロールプレイを行う。
【学生が行うこと】
・国民のセルフメディケーションを支援するため薬局薬剤師が果たす役割を説明する。
・セルフメディケーションに関する薬局アイテムについて説明する。
・顧客の症状や背景を考慮し、一般用医薬品なおdの選択の基準を説明する。
・選択された一般用医薬品について、情報提供する項目を説明する。
・顧客対応(セルフメシケーション支援)のロールプレイを行う。
【評価の視点】
・セルフメディケーションに関する薬局アイテムについて説明できる。
・顧客の症状や背景を考慮し、一般用医薬品などの選択の基準を説明できる。
・医療用医薬品と一般用医薬品などの相互作用について、代表的なものを説明できる。
・ロールプレイ(セルフメディケーション支援)において、一般用医薬品などを適切に選択できる。
【当薬局での指導】
●薬局薬剤師が国民のセルフメディケーションの支援に関与する事の重要性を説明する。
P402参照。
国民の健康管理をする上で重要になるのが、疾病の予防である。「病気に罹らない」これに勝る治療は無い。この病気を予防するという事で国民は健康に生きて行く事が出来、国家としても医療費の削減に繋がる。
しかし、医療関係者でない限りは、なかなかその方法なりがよく分からない。時には悪徳な業者の商品の謳い文句に騙されて高額な商品代金を請求されるというトラブルも発生したり、健康被害が生じたりする事もある。こういった事からも国民を守るため、薬剤師は適切な健康管理の方法やアドバイスを行う事が重要である。
●一般用医薬品や健康機能食品などセルフメディケーションに関する薬局アイテムについて説明する。
セルフメディケーションに関係する一般用医薬品としては様々なものがある。当薬局でいえば、総合感冒薬、抗炎症作用の軟膏、痛み止め、咳止め、鼻炎薬、点眼薬などがある。また、健康機能食品について言えば、カロリーを抑えた合成甘味料、栄養ドリンクなどがある。
●一般用医薬品のリスク分類に応じた情報提供、陳列、外箱表示について説明する。
下記参考資料にもあるように、平成21年6月から一般用医薬品の区分があらたに取り決められた。これに伴い、薬局においてはその分類ごとに陳列し、リスク区分に応じた販売方法をとる必要となった。
〔参考資料〕
・薬学生実務実習指導の手引きP.140~P.143もあわせて参照の事
●一般用医薬品における「販売者責任の明確化」について説明する。
改正薬事法により、一般用医薬品を販売する際、専門家が情報提供を行うことが義務化あるいは努力義務化され、さらに、すべての専門家は消費者からの相談を受けることが義務付けられた。
これに伴い、「誰が一般用医薬品を販売したか」を明らかにすること、すなわち、販売者責任の明確化が、一般用医薬品の販売において重要な事項となった。
第1類医薬品は、薬剤師だけが販売に携ることができるものであり、特に販売者としての責任を果たすことが重要である。この責務を履行したことを証明するため、一般用医薬品の販売者は、販売の都度、薬剤師の氏名、薬局名、連絡先、販売日を記したものを販売した製品に添付もしくは貼付し、必要に応じて販売の経過や得られた情報を販売記録簿(仮称)等(保険調剤の際の薬歴を含む)に記載・保存することとなった。
●顧客の症状や背景を考慮し、一般用医薬品などの選択の基準を説明する。
全ての例を挙げればキリが無いので、ひとつ紹介する。
例えば、鼻水の症状を訴えて来局した場合、考慮すべき事としては、その患者にはアレルギーがあるのか?それは花粉症なのか?勤務形態として夜勤等があり、風邪の症状としての鼻水なのか?水鼻なのか、黄色い鼻なのか、鼻水以外に気になる症状は無いか?などなどを考慮してその患者にとって最適だと考えられる商品を紹介する。
●選択された一般用医薬品について、情報提供が必要な事を説明する。
第1類医薬品を販売する場合、薬局開設者等は薬剤師に書面を用いて、その適正な使用のために必要な情報を提供する事が義務化された。またこれに限らず、薬剤師たるもの、顧客が選択したOTCの情報提供は行ってしかるべきである。それが職能である。
●医療用医薬品と一般用医薬品などの相互作用について、代表的な事例を挙げて説明する。
代表的なものにはワーファリンとクロレラ・納豆などが挙げられるが、第1類等の医療用医薬品からのスイッチOTCでは、当然、併用禁忌等があるので、そのような相互作用には気をつける事。
●顧客役となり、学生と顧客対応(相談応需などのセルフメディケーション支援)のロールプレイを行う。
90分x5コマなので5つの商品でロールプレイを行いたい。 学生は2人なので45分ずつ程度の配分で十分だと考えられる。