処方せんの鑑査と疑義照会:P311

到達目標

◎一回量(一包化)調剤を必要とするケースについて説明できる。

◎一回量(一包化)調剤を実施できる。(技能)

説明・実習
薬歴簿・処方せん
90分 x 1コマ



指導薬剤師が行うこと

・一包化調剤が必要とされるケース(事例)について説明する。

・一包化調剤には好ましくない薬剤について説明し、一包化する際の注意事項について説明する。

・一包化調剤の方法(機械操作を含め)を説明する。

・学生に付き添いながら、処方せん(または模擬処方せん)に基づいて学生が行う一包化調剤が正確に行われているか確認する。



学生が行うこと

・一包化調剤が必要とされるケース(事例を)列挙する。

・一包化調剤には好ましくない薬剤を挙げ、その理由を説明する。

・指導薬剤師が行う一包化調剤を見学する。

・処方せん(または模擬処方せん)に基づいて一包化調剤を行う。

・一包化調剤が終わった後、自己確認する。



評価の視点

・一包化調剤が必要とされるケース(事例)を説明できる。

・一包化調剤には好ましくない薬剤を例示し、その理由(吸湿性・遮光性など)を説明できる。

・処方せんに基づいて正確な一包化調剤が出来る。



当薬局での指導

一包化調剤が必要とされるケース(事例)について説明する。

一包化調剤とは、服用時点ごとに服用薬を分包する事をいうが、この一包化が必要とされるケースには以下のような場合がある。

・服用薬が多く、服薬管理が困難であると考えられる場合
・何らかの理由で手先が不自由で薬をヒート包装から取り出す事が困難な場合

現場では上記2点が一包化の理由の大半を占める。



一包化調剤には好ましくない薬剤について説明し、一包化する際の注意事項について説明する。

一包化調剤に好ましくない薬剤の特徴としては

・吸湿性が高い
・遮光が必要

などがある。



一包化調剤の方法(機械操作を含め)を説明する。

当薬局にある調剤機器のうち汎用するのは、

・分包機
・電子天秤
・メートグラス
・軟膏板とへら
・乳鉢と乳棒

である。それぞれについて解説を行う。

分包機では、へらの使い方や分包紙の交換方法。

電子天秤では、レベル調節と最小秤量桁の誤差の説明。一番小さい桁は信用してはならない事。

メートグラスでは、メニスカスとガラス器具の洗浄について。ガラス器具はケイ酸が主組成であるためキレイに洗浄できていれば水を弾かなくなるはず。

軟膏板の使いかた。特にへらの使い方や研和の仕方についての手技をみせる。
また、軟膏壷への充填方法とタッピングや、すり切りのコツについて。

乳鉢での散剤混和方法、乳鉢のもちかた、こびりついた散剤の削ぎ落とし方。



学生に付き添いながら、処方せん(または模擬処方せん)に基づいて学生が行う一包化調剤が正確に行われているか確認する。

実習期間中に何例もの一包化処方に遭遇するので、時間的余裕がある場合には任せてみる。