【到達目標】
◎散剤、液剤などの計量調剤ができる。(技能)
◎調剤機器(秤量器、分包機など)の基本的取扱いができる。(技能)
説明・実習 処方せん
90分 x 5コマ
散剤、液剤の処方せんを標準10枚以上。ただし、学生の到達度に応じて変更する。
【指導薬剤師が行うこと】
・自身の薬局の調剤手順、方法を説明する。
・自身の薬局にある調剤機器の取り扱いを説明する。
・注意・工夫が必要な散剤の調剤方法(粒径が異なる散剤が配合されている場合、吸湿しやすい薬品が配合されている場合、配合変化が考えられる場合、賦形剤の添加が必要な場合等)について説明する。
・注意・工夫が必要な液剤の調製方法(配合変化が考えられる場合、散剤と液剤が配合されている場合、矯味、矯臭剤の添加が必要な場合等)について説明する。
・学生に付き添いながら、実際の処方せん(または模擬処方せん)に基づいて散剤調剤および液剤調剤が正確に行われているかどうかを確認する。
【学生が行うこと】
・調剤機器・秤量器を実際に操作する。
・実際の処方せん(または模擬処方せん)に基づいて散剤調剤および液剤調剤を行う。
・調剤が終わった後、自己確認する。
【評価の視点】
・散剤調剤および液剤調剤の留意点について説明できる。
・処方内容に応じて、適切に調剤機器・秤量器を選択し、正しく取り扱いが出来る。
・処方せんに基づいて、正確に散剤調剤および液剤調剤を行う事が出来る。
【当薬局での指導】
●自身の薬局の調剤手順、方法を説明する。
ここでは、散剤や液剤の調剤について解説を行う。
散剤や液剤は計量混合などで一旦混ざってしまうと、計算間違いをおかしていると取り返しがつかなく、薬を廃棄する事になってしまうので、きっちりとした計算を行う事を心がける。
ポイントとしては、計算工程を違う方向から確かめ算を行う事でそのミスを防ぐ事が出来る。
●自身の薬局にある調剤機器の取り扱いを説明する。
P311参照の事。
●注意・工夫が必要な散剤の調剤方法(粒径が異なる散剤が配合されている場合、吸湿しやすい薬品が配合されている場合、配合変化が考えられる場合、賦形剤の添加が必要な場合等)について説明する。
散剤の計量混合については、通常2種類以上の医薬品を一旦乳鉢で混合して均一な散剤として調製してから分包機で分包を行う。この作業を行う上での大前提となるのが、ほぼ同一の粒子径をもった散剤であるという事である。
粒子径が違うもの同士の混合となるのであれば、一旦乳鉢に入れる事無く、それぞれを別々に量り取って分包機に撒く。理由は言わずもがな。
また、高い吸湿性をもつ薬剤では、投薬時に乾燥剤も一緒に渡すとか、チャックのついたビニールに入れておくなどの一工夫が必要になる。
配合変化が考えられる組み合わせがある場合には、別々に分包を行う事となる。
賦形剤を添加する必要がある場合というのは、分包時に1包あたりが非常に少ない場合である。均一性を保つためにも分包機は重量として最低でも0.3g以上は必要であるので、その重量に満たない場合には、不足分を逆算して乳糖を添加する。
●注意・工夫が必要な液剤の調製方法(配合変化が考えられる場合、散剤と液剤が配合されている場合、矯味、矯臭剤の添加が必要な場合等)について説明する。
配合変化については下記参照。
散剤と液剤が出ている場合、医薬品の薬効成分によっては、液剤の中に散剤を投入して投薬する事もある。咳杏甘水などがそうである。
〔参考資料〕
神戸大学医学部附属病院薬剤部 調剤内規(調剤薬局向け資料)PDF
●学生に付き添いながら、実際の処方せん(または模擬処方せん)に基づいて散剤調剤および液剤調剤が正確に行われているかどうかを確認する。
初めは水だけでやってみて、ある程度慣れたら調剤をやってもらう。