【到達目標】
◎処方せんの記載に従って正しく医薬品の取りそろえができる。(技能)
◎錠剤、カプセル剤などの計数調剤ができる。(技能)
◎代表的な医薬品の剤形を列挙できる。
◎医薬品の識別に色、形などの外観が重要であることを、具体例を挙げて説明できる。
◎代表的な医薬品の商品名と一般名を対比できる。
◎同一商品名の医薬品に異なった規格があるものについて具体例を列挙できる。
◎異なる商品名で、同一有効成分を含む代表的な医薬品を列挙できる。
◎代表的な同種・同効薬を列挙できる。
◎代表的な医薬品を色・形、識別コードから識別できる。(技能)
実習・演習 処方せん 90分 x 10コマ
錠剤、カプセル剤の処方せんを標準30枚以上。
ただし、学生の到達度に応じて変更する。
【指導薬剤師が行うこと】
・処方せんを正しく読む事が出来るかを確認する。
・自身の薬局の調剤手順・方法を説明する。
・処方せん(または模擬処方せん)に基づいて正確に調剤が行われているか確認する。
・医薬品の剤形について説明する。
・剤形等の違いによる使用法を説明する。
・在庫医薬品の中から特徴的な色、形の医薬品について説明する。
・在庫医薬品の中から、主な医薬品の一般名(有効成分)と商品名(販売名)を説明する。
・使用頻度の高い医薬品の色・形・識別コードを説明する。
・薬剤識別コード事典などの使い方を説明し、実際に識別を体験させる。
・在庫医薬品の中から同一商品名(販売名)で規格が異なるものをいくつか説明する。
・在庫医薬品の中から有効成分が同一で商品名(販売名)が異なるものをいくつか説明する。
・在庫医薬品の中から同種・同効薬を数種選び、各々の特徴・効果の違い・ 使用目的の違いについて調べさせる。
・ジェネリック医薬品へ変更して調剤する時の対応について説明する。
【学生が行うこと】
・指導薬剤師が行う計数調剤の方法を見学する。
・処方せんに基づいて計数調剤を行う。
・実物により医薬品の剤形を説明する。
・剤形別に使用法を確認する。
・特徴的な色、形をもつ医薬品を列挙する。
・代表的な医薬品の一般名(有効成分)と商品名(販売名)を対比して記録する。
・薬剤識別コード事典などを用いて薬剤の識別をする。
・指導薬剤師が準備した医薬品について、有効成分が同一である薬剤の商品名(販売名)をすべて列挙する。
・指導薬剤師が指定した薬効群(例:ACE阻害薬など)について、在庫医薬品の中から該当する医薬品を全て選び出す。
【評価の視点】
・処方せんに基づいて、正確に医薬品の取り揃えが出来る。
・剤形の違いによる目的・使用方法を説明できる。
・有効成分が同じで商品名が異なる代表的な医薬品を列挙できる。
・指導薬剤師が提示した医薬品の実物をもとに、薬剤の識別が出来る。
・代表的な同種同効薬のそれぞれの特徴や薬効、使用目的の違い等を説明できる。
【当薬局での指導】
●処方せんを正しく読む事が出来るかを確認する。
現在、処方箋の用法用量指示の書き方を変更しようとする流れがあるが、とりあえず現時点での表記方法がきちんとわかっているかを確認する。
●自身の薬局の調剤手順・方法を説明する。
当薬局の流れは
患者来局
↓
処方箋受付
↓
PC入力・調剤
↓
薬袋作成
↓
監査
↓
服薬指導
↓
会計
となっている。 方法については各項目において詳細を説明する。
●処方せん(または模擬処方せん)に基づいて正確に調剤が行われているか確認する。
薬局の雰囲気に慣れて来たら、実際に処方箋を見ながら調剤を行ってもらう。
間違える事があれば、なぜ間違えたのか、ではどうすれば良いのかをフィードバックする。
●医薬品の剤形について説明する。
当薬局に在庫してある医薬品で特徴的なものを解説する。
・錠剤 ・カプセル剤 ・散剤 ・徐放剤 ・腸溶剤 ・漢方剤 ・点眼剤 ・塗り薬 ・ローション剤 ・ドライシロップ ・シロップ剤 ・貼付剤・坐剤 ・注射剤 ・内服滴剤 ・スプレー剤 ・吸入剤 など。
●剤形等の違いによる使用法を説明する。
上記それぞれの特徴と剤型の意味を解説する。
●在庫医薬品の中から特徴的な色、形の医薬品について説明する。
特徴的な色を持つ医薬品
・アダラートL ・ユベラNソフトカプセル ・フスタゾール糖衣錠 ・フェルムカプセル ・アリメジンシロップなど。
特徴的な形の医薬品
・サイトテック ・アナフラニール ・エバステル ・アレグラ ・アザルフィジンEN500 ・フルイトランなど。
●在庫医薬品の中から、主な医薬品の一般名(有効成分)と商品名(販売名)を説明する。
現在の局方では塩基名が後になっているということに気をつける。
「塩酸○○ → ○○塩酸塩」
商品名の由来が一般名であるものや、その効果を連想させるもの、また、語尾に付いている英語文字の意味などを簡単に解説する。
●使用頻度の高い医薬品の色・形・識別コードを説明する。
医薬品には分包してもその薬が何であるかがわかるように、色・形・識別コードが刻まれている。これについて解説を行うが、調べる方法として現在ではインターネットで簡単に調べる事が出来るようになっている事を知ってもらう。
●薬剤識別コード事典などの使い方を説明し、実際に識別を体験させる。
識別コード事典などで調べるのは、かなりアナログなので、インターネットを使って調べてもらう。
●在庫医薬品の中から同一商品名(販売名)で規格が異なるものをいくつか説明する。
例えば、 ノルバスクの2.5と5 などなど。挙げればきりがない。
●在庫医薬品の中から有効成分が同一で商品名(販売名)が異なるものをいくつか説明する。
例えば、 ノルバスクとアムロジン などなど。これもきりがない。
●在庫医薬品の中から同種・同効薬を数種選び、各々の特徴・効果の違い・使用目的の違いについて調べさせる。
例えば、 薬価が違ったり、製剤的に工夫されていたりする同種同効薬があるが、代表的なものといえば、ヒルドイドソフトなど剤型がいくつかある。
●ジェネリック医薬品へ変更して調剤する時の対応について説明する。
日本のジェネリック医薬品は主成分は当然同じであるが、添加剤などが若干メーカーによって違いがある。
この添加剤の違いにより、若干の効果の差が出るという事を知っておいてもらいたい。また、これにより副作用が出る事もある。
以上の点から、ジェネリックへ変更して調剤を行う場合は、その効果は同じでも、副作用の出方が違うという事を患者に知っておいてもらうように服薬指導を行う。
また、ジェネリックに変更する際に、ある程度の剤型変更も認められるように(普通錠から口腔内崩壊錠への変更など)なったが、外用剤の基剤変更などは認められないという事に注意してもらいたい(軟膏をクリームになど)。