患者・顧客との接遇:P402

到達目標

◎疾病の予防および健康管理についてアドバイスできる。(技能・態度)

演習 関連資料
90分 x 2コマ



指導薬剤師が行うこと

・国民の健康管理における疾病の予防や健康管理のアドバイスの重要性を説明する。また、感染症拡大防止(新型インフルエンザなど)に対応した情報提供を行う事に取り組むことの重要性を説明する。

・顧客に確認すべき事項や、状況に応じたアドバイスの必要性を説明する。

・指導薬剤師が行う顧客応対(アドバイス)を見学させる。

・顧客役となり、学生と顧客応対(アドバイス)のロールプレイを行う。



学生が行うこと

・顧客に確認すべき事項や、状況に応じたアドバイスの必要性を説明する。指導薬剤師が行う顧客応対を見学する。

・顧客応対のロールプレイなどを通して疾病の予防や健康管理のアドバイスの重要性を説明する。

※まずは、指導薬剤師が疾病の予防や健康管理についてアドバイスしている例を見学させてから体験させましょう。



評価の視点

・疾病の予防や健康管理についてのアドバイスの重要性を説明できる。

・顧客応対(アドバイス)のロールプレイにおいて、状況に応じたアドバイスが出来る。



当薬局での指導

国民の健康管理における疾病の予防や健康管理のアドバイスの重要性を説明する。また、感染症拡大防止(新型インフルエンザなど)に対応した情報提供を行う事に取り組むことの重要性を説明する。

国民の健康管理をする上で重要になるのが、疾病の予防である。「病気に罹らない」これに勝る治療は無い。この病気を予防するという事で国民は健康に生きて行く事が出来、国家としても医療費の削減に繋がる。

しかし、医療関係者でない限りは、なかなかその方法なりがよく分からない。時には悪徳な業者の商品の謳い文句に騙されて高額な商品代金を請求されるというトラブルも発生したり、健康被害が生じたりする事もある。こういった事からも国民を守るため、薬剤師は適切な健康管理の方法やアドバイスを行う事が重要である。

また今般、猛威を振るった新型インフルエンザに関して言えば、その情報が錯綜した経緯がある。もっとも、過去数十年振りの新型流行であったのも仕方ないのだが、逐次送られてくる情報を取捨選択し適切に患者に伝える事は、余計な不安・混乱を解消し、何に気をつければ良いのかというポイントを押さえる事で予防するように出来るのである。

医師には聞きにくいとか、どうすれば良いのかよく分からないといった地域住民の要望に応える事が出来るのが街の気軽な相談役である薬剤師なのである。



顧客に確認すべき事項や、状況に応じたアドバイスの必要性を説明する。

OTCの販売に際して確認しておくべき事は、以下のようなものがある。

・誰が服用するのか?
・年齢は?
・主訴は?
・薬物等にアレルギーはあったか?
・現在服用中の薬はあるか?

学生に考えて欲しいのは、現場で仕事をしている薬剤師はこういった確認事項を暗記して顧客と対応しているのではないということである。

例えば、自分の家族や大切な人が健康上困っていて薬を買いたいと言っているとしよう。当然自分としては心配になる。おまけに自分には薬学の知識がある。さあ、自分には何が出来る?と考えた時、上記のような質問は自然と出てくるのではないだろうか。

目の前にいるその人を家族と思って心配する。その困っている事をなんとか取り除いてあげたいと考えれば自然と併用薬の確認やどんな症状なのかということを聞かない訳が無いのである。 そうして話して行くうちに、的確なアドバイスが出来るようになり、顧客の求めている到達点へ最短コースで導く事が出来るのである。

時には受診勧告が必要となる場合も当然ある。それが薬剤師の仕事なのである。



指導薬剤師が行う顧客応対(アドバイス)を見学させる。

ここの項目でも、顧客対応をただ見せるのではなく、学生に指導薬剤師が考えた経緯等を解説し、自分ではどうするか?と考えてもらうようにする。



顧客役となり、学生と顧客応対(アドバイス)のロールプレイを行う。

上記解説で1コマ。ロールプレイで1コマ。 ロールプレイ内容は指導薬剤師が適当に考える。いろんな顧客パターンでやってみるのも面白いかも知れない。急いでいる、基礎疾患がある、耳が遠いなどなど。