OTC・医療用具・健康食品:P405

到達目標

◎顧客からモニタリングによって得た副作用および相互作用情報への対応策について説明できる。

演習
関連資料
90分 x 2コマ



指導薬剤師が行うこと

・一般用医薬品によっても重篤な副作用が起こりうること、その防止のために薬剤師のモニタリングが重要である事を説明する。

・一般用医薬品における副作用や有害事例の報告について説明する。(P207Δ参照)

・医薬品副作用被害救済制度について説明する。

・特にモニタリングが必要となるケース(顧客の特性、疾病の状態、生活の環境、使用薬剤の特性等)や、その際の確認事項、モニタリングの方法(来局時、電話にて等)モニタリングの頻度等について説明する。

・モニタリングによって得られた副作用情報への対応策(服薬中止の判断、薬剤変更の判断、代替案の検討、受診勧奨、かかりつけ医への報告・協議、顧客への説明、薬歴への記録、モニタリングの継続等)について説明する。

・事例を提示し、副作用が発生した場合の対応策を検討させる。



学生が行うこと

・セルフメディケーションにおける薬剤師が行う顧客モニタリングの意義・目的を説明する。

・指導薬剤師の提示する事例に基づき、副作用が発生した場合の一連の対応策を検討する。



評価の視点

・一般用医薬品によって起こりうる重篤な副作用を列挙できる。(2つ以上)

・薬剤師が顧客モニタリングを行うことの意義や必要性を説明できる。

・提示した事例に対し、副作用が発生した場合の対応を適切に説明できる。



当薬局での指導

一般用医薬品によっても重篤な副作用が起こりうること、その防止のために薬剤師のモニタリングが重要である事を説明する。

例えば、ケトプロフェン配合の外用剤においては、紫外線による光線過敏症等が重篤な副作用となる事がある。こういったOTCでの副作用にも気をつけて販売を行う必要がある。

具体的には、副作用が起こるかも知れないような商品を購入しようとしている顧客に対して、以前にこんな症状は無かったか?何かアレルギー等は無いか?こういった症状が出たらすぐに止めるようになど、ひとこと言っておく事が薬剤師として重要な役割となる



一般用医薬品における副作用や有害事例の報告について説明する。

 P207参照



医薬品副作用被害救済制度について説明する。

医薬品は、健康の保持増進に欠かせないものであるが、有効性と安全性のバランスの上に成り立っているという特殊性から、使用に当たって万全の注意を払ってもなお副作用の発生を防止できない場合がある。

このため、医薬品(病院・診療所で投薬されたものの他、薬局で購入したものも含みむ。)を適正に使用したにもかかわらず副作用による一定の健康被害が生じた場合に、医療費等の給付を行い、これにより被害者の救済を図ろうというのが、この医薬品副作用被害救済制度である。この医療費等の給付に必要な費用は、許可医薬品製造販売業者から納付される拠出金が原資となっている。

〔参考資料〕
医薬品副作用被害救済制度:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構



特にモニタリングが必要となるケース(顧客の特性、疾病の状態、生活の環境、使用薬剤の特性等)や、その際の確認事項、モニタリングの方法(来局時、電話にて等)モニタリングの頻度等について説明する。

特にモニタリングが必要となる場合としては、調剤薬局における服薬指導と同等の事を行えば良い。確認事項としては現疾患の状態や併用薬、職業特性やコンプライアンスなどが挙げられる。

モニタリングのタイミングとしては初回に詳しく状態を聞き出し、薬剤使用してしばらくの後に状況を把握すべく來局時や場合によっては電話にて状況を確認する。しかし、OTCの場合には次回来局が確実ではないので確認はなかなか難しい事もある



モニタリングによって得られた副作用情報への対応策(服薬中止の判断、薬剤変更の判断、代替案の検討、受診勧奨、かかりつけ医への報告・協議、顧客への説明、薬歴への記録、モニタリングの継続等)について説明する。

モニタリングや顧客からの訴えにより何らかの問題が発見された場合、それに付いての対応策を講じる必要がある。対応策としては、服薬中止の判断、薬剤変更の判断、代替案の検討、受診勧奨、かかりつけ医への報告・協議、顧客への説明、薬歴への記録、モニタリングの継続等がある。これらは状況に応じて臨機応変に対応する必要がある。



事例を提示し、副作用が発生した場合の対応策を検討させる。

時間数として2コマであるので、説明で1コマ、対応策検討で1コマとしたい。
具体的な事例として次のものを挙げる。

・市販の貼付剤を購入し、使用した所、3日目でピリピリとしたため使用を中止したが、休薬してからも赤く腫れ上がり、皮膚がただれているという相談を受けた。薬剤師としての対応策を考えよ。

《ヒント》
まずは状況の確認、詳しいモニタリングの後、受診勧告をおこなう。それと同時に副作用救済機構の紹介と副作用報告書の作成及び提出を行う。