カウンター実習:P406

到達目標

顧客対応実習:

◎顧客が自らすすんで話ができるように工夫する。(技能・態度)

◎顧客が必要とする情報を的確に把握する。(技能・態度)

◎顧客との会話を通じて使用薬の効き目、副作用に関する情報を収集できる。(技能・態度)

◎入手した情報を評価し、顧客に対してわかりやすい言葉、表現で適切に説明できる。(技能・態度)

実習・演習 当該商品
90分 x 50コマ 約50名の顧客と対応をする。

一般医薬品を扱っていない場合は他の一般用医薬品を扱う薬局で実習を行う(必修)。



指導薬剤師が行うこと

まず、学生に指導薬剤師が行う顧客対応を見学させ、顧客の身になって話を聴き、顧客が話しやすいように相談できる態度や環境が重要である事を説明する。

・顧客対応の基本について理解度を確認する。

・顧客からの情報収集のポイントを説明する。

・使用薬の効き目や副作用についての情報収集と、得られた情報の評価の仕方について説明する。

・指導薬剤師の顧客対応を見学させる。

・顧客役となり、学生と顧客対応のロールプレイを行う。

・薬剤師立ち会いのもとで実際に顧客対応を体験させる。



学生が行うこと

・顧客対応の基本について説明する。

・指導薬剤師が行う顧客対応を見学する。

・対話から情報を収集し、入手した情報を評価した上で、顧客に適応できるか考察する。

・得られた情報を分りやすい言葉、表現に置き換えて説明できる。

・薬剤師役となり、顧客対応のロールプレイを行う。

・薬剤師立ち会いのもとで、実際に顧客がすすんで話が出来るような顧客対応を体験する。

まず、学生に店頭カウンターでの顧客対応を見学させて下さい。
その上で態度、言葉遣いなどを含めたコミュニケーション、情報収集の大切さを理解させましょう。
そのためにも実際に顧客からの情報収集を体験させましょう。



評価の視点

顧客対応の態度を観察しながら、適切な対処が出来ていなければ、その都度学生にフィードバックしてください。

・顧客対応の基本について説明できる。

・ロールプレイや実践を通して、顧客が必要としている情報を的確に把握できる。

・顧客からの情報収集および、評価が適切にできる。

・顧客から収集した情報に基づき、医薬品の効き目、副作用などの評価が適切にできる。

・わかりやすい言葉、表現を使った情報提供ができる。



当薬局での指導

顧客対応の基本について理解度を確認する。

この項目のコマ数は50コマである事から、日々の業務見学を通して考え、感じ取ってほしい部門である事が想像出来る。

そし日々の実習でだんだん現場に慣れて来たら直接顧客との対応をして、更なる理解を深めて欲しい。 顧客対応の基本としては、薬局業務にかかわらず、サービス業として基本的な対応と同じである。

顧客に敬意を払い、顧客の求めを見極め、対応するという事が基本となる。また、その際の話し方や、言い回しかた等は実践を経験しつつ、フィードバックしていく。

テーマとしては「言い方1つで印象は全く変わるという事を肝に銘じる



顧客からの情報収集のポイントを説明する。

情報収集ポイントとしては、何を求めに来たか?をきちんと聞き出す事に集約される。

これさえ押さえていれば、後はありとあらゆる方法が選択肢として挙げられる。選択肢については業務を重ねて行くうちに自分の中でいろいろな考え方や方法が身に付いて行くので、時間とともにその幅が広がればよい。



使用薬の効き目や副作用についての情報収集と、得られた情報の評価の仕方について説明する。

使用薬の効果や副作用の情報を収集する事は重要であり、収集によって得られたものはその後の方針を決定する材料となる。

例えば効き目があまり感じられないというのであれば、より効果の高い物への変更を勧めることが出来る。また、効き過ぎの感があれば、しばしの休薬を提案する。

一方、収集によって得られた情報が副作用に関する物だった場合、受診勧告や休薬、その他の処置へ切り替える事を提案する。

実践に基づいて情報を評価する場合、多々見受けられるのが、顧客の不適正使用による副作用がある。この場合、薬剤成分による副作用ではなく、使用方法が間違っていたために発生したのだということを以後、適正使用を履行して頂くためにも顧客に理解いただく必要がある。



指導薬剤師の顧客対応を見学させる。

実習全日程において見学学習という物は重要であり、自分の作業をしながらも、薬剤師の服薬指導や顧客対応に聞き耳を立て、自分なりに感じた事や発見した事を日々見つけて行って欲しい。



顧客役となり、学生と顧客対応のロールプレイを行う。

実際の服薬指導を行う前には最低限ひとり1回以上のロールプレイを行いたいと考えている。



薬剤師立ち会いのもとで実際に顧客対応を体験させる。

将来的に薬局で仕事をしないと考えている学生も多々受ける事になるとは思うが、それ如何を問わず、現場の薬剤師はこういう物であり、薬という物の最終到達点直前にいる薬剤師はこんな仕事をしているんだということを知るのは良い経験になると思われる。

実習期間中は出来る限り多くの方々との対応をしてもらいたいと考えている。