薬局製剤:P103

到達目標

◎代表的な薬局製剤・漢方製剤を調製できる。

実習 選択(他施設へ依頼も考慮)
90分 x 2コマ



指導薬剤師が行うこと

・代表的な薬局製剤を例にあげ、原料医薬品(生薬など)について説明する。

・薬局製剤の調製法、製剤技術について概説する。

・代表的な処方を例にとり、処方の特徴、原料と価格、調製法等を概説する。

・学生と一緒に調製する。

・製造後に製造記録を作成する意義を説明する。



学生が行うこと

・薬局製剤業務指針、漢方業務指針を読み疑問点があれば指導薬剤師に質問する。

・薬局製剤の原料医薬品選別・保管、調製法、製剤技術、製剤の包装・表示、服薬説明にいたる一連の流れを説明する。

・指導薬剤師の提示した製剤例について特徴や原料、調製法について説明する。

・代表的な薬局製剤を調製する。

・製造記録を作成する。



評価の視点

・代表的な薬局製剤について、処方の特徴、原料と価格、調製法などについて概説できる。

・代表的な薬局製剤を調製する事が出来る。

・製造記録を作成することができる。



当薬局での指導

代表的な薬局製剤を例にあげ、原料医薬品(生薬など)について説明する。

当薬局で製造販売している薬局製剤のうちUHクリームについて解説する。

原材料としては尿素と親水軟膏である。尿素は吸湿性が高く、溶解する際に吸熱反応を起こす。投薬瓶などに尿素を入れ、水溶液とする際に握っていると冷たく感じるということを学生に体験してもらう。親水軟膏はクリーム剤の基剤であるので伸びがよく、塗り心地がサラリとしている。



薬局製剤の調製法、製剤技術について概説する。

これについてもUHクリームで話を進める。調整法としては、UHクリームは10%尿素クリームなので、尿素を10g、親水軟膏90g量り取る。これを軟膏板でへらを使い混和する。 その際には適量の精製水を滴下する。混和が完全に出来たら軟膏壷に充填するが、原料を重量で量り取って、体積基準の軟膏壷にいれるので、例えば100gの UHクリームを調整した場合、10cc軟膏壷10個にぴったり入るとは限らない。これは混和の際に空気が入っていたり、水単体とUHクリームでは密度が違うからである。

この辺りの誤差を経験を積むことによってなるべくロスが少ないように製造できるようになってもらいたい。



学生と一緒に調製する。

ちなみに、YouTubeより引用。大阪府薬剤師会薬局委員会 磯野様、ご苦労様です。

6年制薬剤師の薬局実務実習が始まるにあたり、薬学生指導薬剤師研修会用に撮影したビデオ。薬局製剤UHクリームの調製方法をご紹介。





代表的な処方を例にとり、処方の特徴、原料と価格、調製法等を概説する。

同じくUHクリーム。
これらの概説は学生と一緒に調製する際に話そうと考えている。原料と価格に関しては製造記録簿と一緒にデータ管理しているので、それを見せる。



製造後に製造記録を作成する意義を説明する。

製造記録を作成する意義は、前項でも述べたように薬局製剤においてはPL法が適応されるため、作成した日時、作成環境、作成責任者、作成品目、Lot、作業上気になる点などを記録し、販売後も何らかの問題が有った場合に追跡調査できるようにしておく必要が有る。

※コマ数が90x2なので、薬局製剤として漢方薬の調製も行いたいと考えている。ちなみに葛根湯。